「6000回テストプレイしました」原作者兼プロデューサー・川勝徹が明かすアニメ化の舞台裏
2025年9月27日(土)、幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ2025」(TGS2025)のPLAYISMブースにて、『グノーシア』スペシャルステージが開催されました。原作者の川勝徹さん(プチデポット)、水谷俊次さん(PLAYISM)、木村吉隆プロデューサー(アニプレックス)に加え、ユーリ役の安済知佳さん、ジナ役の瀬戸麻沙美さんが登壇。「一人で遊べる人狼ゲーム」として話題を呼んだ原作の制作秘話から、アニメ化に込めた想いまで、作品の魅力について熱く語りました。
原作代表・川勝徹さんが明かす『グノーシア』開発の原点
前半パートでは、川勝さんと水谷さんが登壇し、原作ゲーム『グノーシア』誕生の経緯について詳しく解説。川勝さんは『グノーシア』の制作背景について、人狼ゲームをベースにしながらも独自の物語性を持たせた開発の狙いを明かしました。
川勝さんは「一人で遊べる人狼ゲームがあったらいいな」という発想から開発をスタートさせたといい、「10~20パーセントぐらいの人は1人でストイックに遊びたい人たちがきっといる」と、時間の制約やメンバーを集める大変さがあることなど、一人でも楽しめる人狼ゲーム開発の動機について語りました。
本作の大きな特徴であるループシステムについて、川勝さんによると、データ上では驚異の約6万5000回ものループが可能だとのこと。原作チーム4人で6000回までテストプレイしたという、開発陣の熱量を物語るエピソードも披露されました。
水谷さんは、プレイヤーによって異なる体験が生まれる仕組みについてコメントし、誰が生き残ったかや誰と仲間になったかによってシナリオの出現順序が変わることに触れました。「だから実況者さんと同じ順番で話が出てこないんです」「人それぞれのグノーシアの宇宙が描かれる面白さがあります」と、プレイヤー一人ひとりにそれぞれの物語体験をもたらす作品の魅力について語りました。
TVアニメ出演のキャスト陣・安済知佳さん、瀬戸麻沙美さんが語るキャラクターの魅力
後半では、ユーリ役の安済知佳さん、ジナ役の瀬戸麻沙美さんと木村プロデューサー(アニプレックス)が新たに登壇し、10月11日(土)から放送開始するアニメ『グノーシア』への想いとキャラクターの魅力について語りました。
アニメならではの見どころについて聞かれた木村プロデューサーは、メディアミックスとしてある程度の変化は必要としながらも、「原作から何かを大きく変えたいというつもりは全くなく、川勝さんとの密な相談を重ねながら、ゲームを楽しんでくださった方に『これはグノーシアの世界だな』と思ってもらえるように制作を進めました」と、アニメにはプロデューサーとして参加している川勝さんと連携をとり制作しているという原作への深いリスペクトを示しました。
アニメの主人公・ユーリ役の安済さんは、オーディションや収録現場でのエピソードを披露。キャスト陣も考察をしながら和気藹々と収録を進めていたことを明かしつつ、ユーリについては「(アニメオリジナルのキャラクターにも関わらず)元からいたんじゃないかってぐらいぴったりすぎて」とコメント。
ユーリの魅力については「あどけなさもあるけど、かっこよさも感じられる魅力がめちゃくちゃ詰まっています」と表現し、台本を初めて読んだ瞬間から強い印象を受けたことを振り返りました。
一方、ジナ役の瀬戸さんは「ジナは涼やかで美しい外見からクールな印象を持たれがちですが、実際はささやかな気遣いや、誰かがめんどくさがってやらないことを率先してやってくれる優しさを持つキャラクター」だと紹介。「言葉数は少ない子なんですけど、ちゃんと見つめておいてほしいですね」と放送開始を待つファンへメッセージを送りました。
最後に川勝さんが登壇者を代表して、原作ファンの方々への感謝を伝えるとともに、「アニメ化によって新しい宇宙が広がる」ことで新たなファンとも出会えることへの期待を語りました。「皆さんと大きなグノーシアの宇宙を作って、再び一緒に旅できることを楽しみにしています」と締めくくると、会場は温かな拍手に包まれてイベントは幕を閉じました。