2025年10月11日より放送がスタートしたTVアニメ『グノーシア』。
舞台は宇宙を漂う一隻の宇宙船、星間航行船D.Q.O.。人間に擬態した未知の存在「グノーシア」を排除するため、乗員たちは毎日1人ずつ、話し合いと投票によって“疑わしき者”をコールドスリープさせていきます。
しかし、主人公・ユーリは、どんな選択をしても“1日目”に戻ってしまう——そんなタイムリープの渦中にいました。
極限状況の中で交わされる会話を通じて、少しずつ明かされていく乗員たちの本音や秘密。信じるべき相手は誰なのか。何が正しい選択なのか。繰り返されるループの先に待つものとは——。
そんな謎に満ちた物語を彩るキャラクターたちを、キャスト陣はどのように演じたのでしょうか。
第17回目は、ジョナス役の津田健次郎さんにアフレコ現場でのエピソードや演技に込めた想いを伺いました。
原作やシナリオを読んだときの印象を教えてください。
津田健次郎さん(以下、津田)
本当に不思議な味わいのある作品だな、というのが第一印象でした。SFのようでもあり、人狼ゲームのような要素もあって……最初は少し頭が混乱するくらいの難解さもあったんですが(笑)、そのぶん「この先どうなるんだろう?」と惹きつけられるミステリー的な魅力があって。とても面白い世界観だと感じました。
キャラクター同士の掛け合いも多くて、特に会議シーンはある意味“舞台”のような佇まいがありますよね。人狼的な“犯人探し”の要素が物語の中核になっていて、そのスリリングな空気感こそが『グノーシア』ならではの醍醐味だと思います。
ジョナスについて、最初にどんな印象を持ちましたか?
津田
ジョナスに関しては何をどこまで話していいのか、難しいところもあるんですが……(笑)。“意味深なことを言うけど、実はそこまで深い意味はない”という、ある種、哲学者のようなキャラクターだなと感じました。でもやっぱり、ちょっとクセのある人ですよね。独特な話し方で、そのぶん印象にも残るし、演じていてとても楽しい存在でした。
演技で意識したことや、音響監督とのやりとりで印象に残っていることはありますか?
津田
現場では、音響監督さんから「とにかく意味深に話してくれればOKです」と言われまして(笑)。あえて芝居がかった口調で、“カッコつけてる感”を強調して演じました。
「たぶんこういうテンションかな」と自分の中でイメージを固めて臨んだんですが、普段の役とはまた違った感覚で、とても楽しませていただきました。
ジョナスといえば、ククルシカとの関係性も鍵になりますよね。
津田
そうですね。ジョナスから見た関係性によって、少しずつ距離感を変えることも意識していました。たとえば、ククルシカやステラとのやりとりでは、ジョナスが少しだけ“人間らしい感情”をにじませる瞬間があるんですよね。他のキャラにはたぶん「本気でどうでもいい」と思っていそうなんですけど(笑)、このふたりに対しては、どこかに“思い”のようなものが感じられる。そうした微妙な違いを、さりげなく表現できたらと思って演じていました。
ジョナス以外で、特に気になったキャラクターや、印象に残っているキャラ同士の関係性があれば教えてください。
津田
ユーリですね。毎回どの話数でもバタバタしていて、苦しんで悩んでいる姿を見るたびに「頑張れ……!」と心の中で応援していました(笑)。
お気に入りのシーンや話数があれば教えてください。
津田
特定の話数というよりも、会議シーン全体のキャラ同士のやりとりがすごく面白かったです。投票シーンで、“Who is the Gnosia?”とレビの声が響くのもいいですよね。クセの強いキャラクターたちが、それぞれのやり方で駆け引きをしていく姿が、人間味があって印象的でした。
直近で放送された第14話・第15話ではジョナスは会議をかき回していましたが、夕里子やラキオのような“会議を引っ張る”キャラについては、どう見ていますか?
津田
シンプルにかっこいいですよね。「何か企んでいそうで、実は……」という含みのあるキャラなのに、やっぱり物語をグッと引き締めてくれる存在ですし。とても魅力的に感じます。
もしご自身が『グノーシア』の世界にいたら、どんな立ち位置で動くと思いますか?
津田
いやー、どの役職も無理ですね(笑)。僕、人狼ゲームが本当に苦手で。ああいう、嘘をついて駆け引きしていく感じって、将棋やチェスのような頭脳戦に近いところがあるじゃないですか。すぐに考えるのが面倒になっちゃうタイプなので、あまり向いてないんです。強いて言えば……いや、やっぱりプレイヤーではなく、外から見ているぐらいがちょうどいいですね。
「このキャラが味方だったら心強い!」と思うのは?
津田
みんなそれぞれ頼もしさはあるんですが、賑やかし枠はちょっと……(笑)。ジョナスは正直、まったく頼りにならない気がしていて。しげみちも不安じゃないですか。信頼感でいえば、ジナですね。ああいう落ち着いたキャラクターは、いざというときにもブレなさそうだし、裏切らなさそうな安心感があります。チームにいてくれたら、すごく心強いと思いますね。
今回、『グノーシア』の現場に参加して、刺激を受けた点を教えてください。
津田
まず感じたのは、皆さん本当に芝居のスタイルがバラバラで、それがとても面白かったということです。ひとつの空間に集まってはいるけれど、それぞれが自分のやり方でキャラクターを持ち込んでくる。その“バラバラ感”が逆にリアルな空気を生んでいて、特に会議のシーンでは、独特の緊張感につながっていた気がします。
作品の世界観はかなり張り詰めていますが、収録現場自体は、いい意味でふわっとした柔らかさもあって。キャストの人数は多いけれど、それぞれの距離感を自然に保ちながら、テンポよく進んでいったのが印象的でした。
本作では“嘘をつく”“正体を隠す”といった、キャラクター自身も“演じる”シーンが多く描かれています。ご自身が役者として役を演じるうえで、大切にしていることを教えてください。
津田
少し広い意味で言えば、“与えられた物語の時間をどう生きるか”というのは、常に意識しているテーマです。キャラクターや物語によって、その人物が積み重ねてきた時間の長さや質は異なりますが、その一瞬一瞬を丁寧に過ごすこと。そういう積み重ねが、芝居につながっていると感じています。もちろん、うまくいくときもあれば、そうじゃないときもありますが。
実写でもアニメでも、キャラクター同士の間にちゃんと“交流”が生まれて、そこから空気が立ち上がって、そして自然とドラマが生まれていく。その流れがしっかり感じられるときって、本当に楽しいんですよね。今回に関しては、“キャラ立ち”そのものが自分の役割だと思っていたので、セリフそのものに深い意味がなくても(笑)、ちゃんと存在感が残るように意識して演じました。
視聴者の皆さんへ、最後にメッセージをお願いします。
津田
ここまで観続けてくださっている皆さん、本当にありがとうございます。物語はここからさらに大きく展開していきますし、きっと予想外の展開も待っていると思います。ぜひ最後の最後まで、この不思議な『グノーシア』の世界を一緒に旅していただけたら嬉しいです。